(-1)×(-1)

0x0aさんの日記に引用されていた(-1)*(-1)=1の証明を見て中学時代を思い出した。
中一と中三で習った数学のT先生は(-1)*(-1)がいくつになるか?なんてことを何ヶ月もみんなで議論するような授業ばかりしていて、受験とかそういうのには全く役に立たなかったが面白い授業であった。
ただ、(-1)*(-1)=1である証明/説明を何かの仮定なしにはできない。たとえばさきほどのリンクにもあるように分配法則が成り立つことを仮定するしかない。結局分配法則と掛け算の定義はどちらが基本的な性質なのだろうか?というところに問題はいきついてしまうのである。簡単に言えば分配法則が成り立つようにかけ算を負数に拡張した結果、(-1)*(-1)=1という定義が生まれたわけだ。
一方で、そういう事情は無視して中学一年当時T先生は0x0aさんがファーブル伝として書いている

(-400)×(-5)=2000というのは,
『400円の借金を5人の人に肩代わりさせたから
自分は2000円の得になった』ということだ

というのと似た感じの説明をした気がする。当時その説明に全く納得できなくて、たとえ話が数学の証明と言えるのかずいぶん悩んだのだが、今思えば結局理解とは何か、説明とは何か、わかるとはどういうことか?という問題を悩んでいたのだろう。今と悩んでいる内容が同じである。
ちなみに母校の入試問題にも同様の問題がでたらしい。