蛙ゲロゲロ

蛙の鳴き声も引き込み現象があるようです。お互いに逆位相で鳴き合ってメスとオスを見分けているんだそうです。発表者はおそらく東大のカオスの合原さんの息子さん。京大情報のF研にいるというウワサをF研の友人から直接聞いたのでおそらく確かでしょう。蛙なんてやっていらっしゃるんですね。ゲロゲロ。

大阪府立大数理工学分野 非線形物理学セミナー

日時: 2006年7月26日(水) 13:00−14:30

場所: 大阪府立大学中百舌鳥キャンパス B5棟(工学部新館)1階1B33室

講師: 合原一究 氏 (京都大学情報学研究科)

タイトル:ニホンアマガエルの発声行動に関する実験的研究および数理モデルによる解析

アブストラクト:

ニホンアマガエル(hyla-japonica)は沖縄を除く日本全域に生息するカエルであり、
京都市内の水田においても、春から夏にかけて集団で鳴いている様子が観察できる。
一般によく知られたカエルであるが、集団での発声行動に関する研究はほとんど行なわれ
ていない。

今回、ニホンアマガエルを自発的に鳴かせる実験を行ない、単独では周期的に鳴く一方
で、二匹では交互に鳴く現象を見出した。
また実験データを解析することで、同期して鳴いているときは単独で鳴いているときより
も周期が長くなることを確認した。

このような強い周期性を持つ系の解析には、位相振動子による数理モデル化が適当である
と思われる。
本発表では、単独では周期的なリズムを生成する位相振動子が、二個の結合系では逆位相
で同期して振動する現象として、実験結果を記述できることを示す。

次に、このような同期特性が繁殖に与える影響に関して考察する。
ニホンアマガエルはオス1匹とメス1匹がペアになって抱接することが知られている。
このような状況下では、二匹のオスが交互に鳴くことでメスに対して近接する他のオスと
自己とを区別させ、繁殖を有利に進めようとしている可能性が考えられる。