ペギオ

週末から郡司さんの新刊を読んでいて、仕事にならない。どうも梅雨のテロテロ加減と協同効果があるみたいでよくない。日ごろの弱気な部分を痛く刺激されて、(普通の意味での)科学をなんだか疑いたくなる気分になってしまう。

内容は昨年の生物物理夏の学校で話された内容を詳細にした感じ。郡司さんの本を一ページでも読んだことがある人はわかると思うけど、文体が相変わらずなのりなので読むのに苦戦する。でも今までの本よりははるかに読みやすい。まだ全部は読みきれてはいないけど。
途中、生物時計の話になってあれれと思ってたら、Kaiの話が出てくるので目をひんむいて驚いてしまう*1。昨年の夏の学校でサイクルを伴う生化学反応に興味を持っているとおっしゃっていたので、つかまえて話をしたときの事を覚えてくれていたみたいだ。ミクロとマクロの接続に分子生物学者も悩んでいる、というのは話した内容そのまんまだし。
生物時計ってexactな概念のように扱っているけど、よくよく考えればそうでもない。In vitroの実験系が確立したいま、どういうことが生物時計の研究といえるのかを再考するのには一番いい時なんじゃないかと思う。その時にはやっぱりこのような科学と哲学の接触面の話もどんどん出てきてしかるべきなんじゃないだろうか。
とまれ、生物時計と科学ぎりぎりの話に興味がある人にこの本はお勧めです。

*1:だって、PerじゃなくてKaiですよ