ハイブリッドセミナーという名前の研究会に呼ばれる

Y先生のお誘いで、金沢へ講演に。ってか、こういう学会発表ではなくて講演って当然初めてです。ドキドキ。
ハイブリッドセミナーという名前とは裏腹に講演者は、上田研の小林徹也さん、山さん、知シスの木賀先生、自分、金沢大の東剛人先生、北陸先端の平石邦彦先生。っていうか、俺と山さん以外ハイブリッドシステムという分野があることを知らなかったのでは?
小林さんとは初対面。上田研の最近の様子と、合原研の出身者だそうで、その辺の話題を交わす。ちなみに合原プロジェクトのあのロゴは誰が書いたのか?という話を後で教えてもらう。
小林さんは確率ネットワークというものを提案してゆらぎを定量化するという話。広島の柴田さんの話と似ているというか、興味は同じところにあるようだ。線形のシステム制御理論を援用(リアプノフ方程式)して、ゆらぎの発生源を見極めると。僕はやっぱりナイーブなモデル化には断固反対でそれなら実験やった方がよっぽどましだと思っているのだが、やっぱ解析的に解けるって素敵だ。望月さんも似たような事を言っていたけどこういう線形化を見直す動きって流行っているんだろうか。ちなみにD2の途中から始めた研究らしい。ふむ。早くpublishされて欲しいな。読みたい。
山村先生は、DNAコンピューティングの導入の話。計算量と計算資源のトレードオフをどう解消していくのか?というとこから分子コンピューティングの素晴らしさを語っていた。しかし、先生発表の時はテンション高いね。
木賀先生の講演ははじめて聞いたのだけど予想通り、マシンガントーク。途中しばしば話がおえなくなってきているのだが、あやしげな研究でいいねえ。21番目のアミノ酸が構成可能か?5番目6番目の塩基が可能か?実際に作って確かめてみるという研究。しかし、しばらく前に構成生物学は工学であるということに気付いて興味を失っていたのだけど、実際に話を聞いてみるとやっぱり確信を深めてしまった。ロボットを作るときのマテリアルがタンパクやDNAに変わっただけではないか?と思うのだがどうだろう。実際に作らなくたって5番目の塩基を作ってみようと思った時点でアイデア的にはもう全てで、そのほかには新しいところはないなあと感じてしまう。それでほんとうに生物学のお化け(最も謎なところ)が解けることがあるんだろうか?ただ、木賀先生の生化学実験テクニックはほんとにすごいと思う。そういう作れてしまうところに幸せを感じる人もまあいるんだし、それはそれでいいだけど。
自分はIn vitroの話とそれにいくつかプラスアルファ。結局悩んだ末、モデルの部分を発表するのはやめて完全にバイオロジーの発表にしてしまった。先生達の評判はそこそこ良かったように思うけど、学生の反応はいまいちだったかもなあ。せっかく制御の人たちだったんだしもっとシステムの文脈で話せばよかったのかな、ブロック線図とか無駄に書いて。いま金沢大の東研の人の日記を二つほど見つけて、「半分くらいさっぱりだった。」とか「全部生物関係でハイブリットと全く関係ないような気がしました。」とか書かれてるorz.
やはり木賀先生の話が一番受けたようだ。論文を書くように細かなところをたんたんと述べるより自分の最も熱い魂を披露するのが一番ですな。プレゼンのいい勉強になった。